2004日本シリーズ VS中日ドラゴンズ 第1戦

プレーオフを制して、わずか5日。ついにこの日を迎えた。日本シリーズ
開幕はナゴヤドーム

朝。一緒に行く知り合いの車に乗って、高揚感を抱きつつ、東京を出発。

しかし、いきなり横浜付近で事故渋滞。相当なタイムロス。

それを抜けると東名高速を一気に西進。厚木を越え、由比の海を眺め、静岡でガソリンをいれ、浜名湖でいったん休憩。それを終えて、一気に名古屋へ。

到着は15:30と開門に近い時間に到着。


7戦分のチケットを受け取り、入場。初めて来たナゴヤドームに軽く興奮。「あぁ、こんな球場なんだ」

それと、ビジター席が広い範囲で売られていたため、まとまるために、チケットの交換などを済まし、試合開始を待つ。まぁ、見た感じ、3階席の張り出しが邪魔でビジョンが見づらい。


そんなこんなやりながら、早くも先発バッテリー発表。
予告先発のあるパ・リーグではなかったので、これがセントラル・日本シリーズなんだと実感。


先発バッテリー。
先攻のライオンズ
ピッチャー・石井貴−キャッチャー・野田浩輔
報道通り、第2ステージ開幕投手にして胴上げ投手、石井貴が先発。キャッチャーはプレーオフに続いて野田。

後攻のドラゴンズ
ピッチャー・川上憲伸−キャッチャー・谷繁元信
大方の予想通り、17勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得したエース・川上憲伸がマウンドへ。キャッチャーは不動の正捕手・谷繁。

しばらくして、スターティングラインアップが発表される。

両チームのスターティングラインアップ
先攻のライオンズ
1番ライト佐藤友亮、2番センター赤田将吾、3番サードホセ・フェルナンデス、4番ファーストアレックス・カブレラ、5番レフト和田一浩、6番ショート中島裕之、7番キャッチャー野田浩輔、8番セカンド高木浩之、9番ピッチャー石井貴。1〜5までは不動のオーダー。DH制がないため、貝塚が外れ、7・8・9番が一つずつ打順が昇格。そして、ピッチャーの石井が9番に入る。

後攻のドラゴンズ
1番セカンド荒木雅博、2番ショート井端弘和、3番サード立浪和義、4番センターアレックス・オチョア、5番ファーストオマール・リナレス、6番レフト渡邉博幸、7番キャッチャー谷繁元信、8番ライト英智、9番ピッチャー川上憲伸。1・2番は強力二遊間にして何でもできる荒木・井端、3番はベテラン立浪、4番に守備範囲の広さに強肩・チャンスに強いアレックス、5番はキューバの至宝・リナレス、6番はこのあとにGグラブを獲得する渡邉、7番は正捕手・谷繁、8番は強肩・俊足の英智、そして、9番はピッチャーの川上。


オーダー発表のあと、出場両チームの選手が並び、開会式。監督が花束を受け取り、プレイボールへの高揚感が高まる一方。

ドラゴンズのチアガールがものすごくいっぱい出てきて、ダンスを踊ったあと、ドラゴンズの選手が守備に着く。そして、守備に着くと、ライトスタンドから外野の渡邊・アレックス・英智にコール。普段のパのゲームじゃ見ない風景にいちいちシリーズを実感。
そして、始球式。50年前の日本一の立役者。フォークの神様・杉下茂が投げて、セレモニーはこれまで。

川上が投球練習に入り、ライトから「がんばれ憲伸」コール。


そして、先頭の佐藤が打席へ。


プレイ、ボール。

1回表、先頭の佐藤はいきなり初球打ち。センターへと抜けると思った当たりがショートがきっちりカバーしてアウト。いきなり、衝撃を受ける。続く赤田は見逃しで三球三振。あっさりと2アウト。そして、プレーオフ大爆発のクリーンアップ。まずは、フェルナンデス。ホセは好調を維持。三遊間をあっさり抜いて、チーム初安打。続いてはカブレラ。2−2からのボールを高々と打ち上げて、キャッチャーファウルフライ。ランナーは出すものの、無得点に終わる。
1回の攻撃だけでも、シーズンともプレーオフとも違うんだという緊張感を実感。

1回裏、先発ピッチャー石井貴がマウンドへ。先頭打者・荒木はハーフスイングで空振り三振に打ち取る。井端もセカンドゴロに抑え2アウト。3番の立浪は早々と追い込んだものの延々と粘られる。しかし、何とか空振り三振に抑え、三者凡退に抑える。

2回表、先頭の和田。プレーオフでは貴重なHRを放ってはいるものの、前回のシリーズでは15−0に終わった苦い過去がある。しかし、それを振り払うかのようにライトへと大きな当たり。英智がクッションボールを誤り、ライトをボールが転々。その間に和田は三塁を陥れ、スリーベース。これが日本シリーズ初安打。ノーアウト3塁といきなり、先制のチャンスを迎える。そして、この場面で中島。ゆる〜い打球のショートゴロ。瞬間Goしたものの、結局ストップでファースト転送。1アウト3塁。続く野田もセカンドゴロで3塁ランナー動けず、2アウト3塁に。ここで迎えるのは8番高木。次のバッターが9番の石井だけにバッテリーは敬遠。2アウト1・3塁に。バッターは石井。2−1からの4球目、バットに当てて、3塁側スタンドへファウル。当たった〜。しかし、結局見逃し三振に倒れて、結局、無得点。いきなり、DH制のない弱みにはまることに。

2回裏、先頭はアレックス。2−3からの打球は2塁深くの打球。セカンドの高木がうまくキャッチし、逆方向に体が流れる中、ファースト転送のファインプレー。続くリナレスもセカンドゴロに抑えて、2アウト。渡邉も見逃し三振で2イニング連続の三者凡退に。

3回表、先頭の佐藤はセーフティバントも谷繁にきっちりさばかれ、キャッチャーゴロ。赤田もセカンドゴロで2アウト。フェルナンデスもここは空振り三振に倒れて、三者凡退。

3回裏、先頭の谷繁は初球をサードゴロ。英智も続いて、サードゴロ。川上も空振り三振に抑え、三者凡退。序盤を終え、シリーズ開幕らしく、静かな展開に。しかし、石井が快投を続けているのはどういうことなんだろうか。

4回表、先頭バッターはカブレラ。2−2からの5球目。カブレラの放った打球はレフト方向へ大きく伸びてくるものの、結局ファウル。このあと空振り三振に倒れ1アウト。続くバッターは先ほどシリーズ初安打となるスリーベースを放った和田。1−0からの2球目。和田が放った打球が、レフトポール際に伸びていく。

相当球足の速い打球に注目してみていると、レフトポールの根元のスタンドへ。外野線審は腕を回している。ギリギリで入った先制HR。

これで1−0。ついに均衡が破られた。
続く中島も三遊間を抜いて、レフト前ヒット。一気に攻勢をかけていく。しかし、野田はサードへのゴロでダブルプレーに終わり、攻撃終了。


しかし、静かな展開を打ち破るHRを和田が放ち、1−0。待望の先制点が入った。

4回裏、石井はここまでの9人を完璧に抑えている。先頭の荒木は初球打ちでショートゴロに。井端もセカンドゴロに抑えて2アウト。続く立浪はショート深いところに打ち、カバーするもカブレラのミットにボールは収まらず、初めてのランナーを許すことに(記録はヒット)。しかし、アレックスをセカンドへの小フライに抑え、3アウト。

5回表、バッターは高木。セカンドゴロに倒れ、続く石井は全く打つ気なしの見逃し三振で2アウト。ここで迎えた佐藤は右中間を抜いて、ツーベース。2アウトながらランナー2塁のチャンス。続く赤田も一二塁間を抜いてライト前へ。ライトの英智の前に行ったため、2塁ランナーの佐藤は3塁ストップ。2アウト1・3塁で迎えるバッターはフェルナンデス。0−1からの2球目。
打球はライトへ。フラフラっと上がったライトフライにあぁ、無理だと諦めて、座る。
しかし、その直後。周りが沸いている。「ん?」
立ち上がってみると、英智がボールを落としている。3塁ランナーの佐藤はホームイン。ライトのエラーで、2−0。何か理解できぬまま、チャンス拡大。2アウト1・3塁でバッターはカブレラ。ここはセカンドへのファウルフライとなり、3アウト。
相手はこの日本シリーズという舞台にガチガチになっている模様。そんなような気がした、この回、1点追加し、2−0。

5回裏、先頭はリナレス。初球を打ち、ボテボテのピッチャーゴロ。しかし、石井はあわてたか、つかむことができず、エラーに。これまでなかった先頭バッターを許してしまう。しかし、続く渡邉は空振り三振に。これで、1アウト1塁となって、迎えるバッターは谷繁。0−2からの3球目。打球はキャッチャー前に。そのボールを野田が拾って、2塁へ送り、2アウト、さらに1塁に転送で3アウト。これで、結局3人で攻撃を終わらせ、後半戦へ。

そして、グラウンド整備。しかし、1塁ランナーのリナレスが2塁に残っている。

ドラゴンズの選手はグラウンドに出てこず、監督の抗議に。

しばらくかかるこの抗議にスタンドには何があったのかが全くわからない(TVではキャッチャーのタッチプレーのあたりだということが言われているが)。そのためにスタンドはイライラしながら待つことに。

いくら待っても再開の気配がない。しかも、スタンドには一切の説明をしてくれないために、ホントに何があっているのかが、わからない。

ここで、周りの人がラジオを持っていたのもあり、そこから流れる情報を頼りにして、ようやく事態を把握。ここまでに10分ぐらい経ったか。


しかも、この状態になってしまったために、スコアボードの前に人が入るという異常事態に。


中断15分後、ようやく審判団がマイクを握り、どうなっているのかがわかる。

「ただいま、野田捕手のプレーに対し、伊東監督に説明を行っております。しばらくお待ちください」

再開の見込みが立たぬまま、スタンドはウェーブが起こるなど、どうしようもない状態に。
スタンドからは「早くしろ!!!」の声が飛び、審判団は3塁ベンチ1塁ベンチを右往左往。

「長ぇ〜〜よ。この野郎」



このまま、不毛な時間が28分程度続き、ようやく、審判団が再びマイクを握ることに。
球審の橘高です。大変お待たせして、申し訳ございません。(中略)2アウトランナー2塁で試合を再開したいと思います」

まぁ、こうなった段階で心配なのは、ピッチャーの石井貴。こういう再開シーンでは気持ちが切れてしまって、たいてい打たれるもの。

2分後、再びマイクを握る。
「(略)ジャッジにミスがありました。しかし、判定どおり、2アウト2塁で試合を再開いたします。」

ここでようやく、ライオンズの選手がベンチ前でキャッチボールに。

球審の橘高です。(中略)私に打球判断のミスがありまして、このような不手際をおかけすることとなりました。まもなく再開します。大変申し訳ございませんでした」

そして、キャッチボールを終えたあと、ライオンズ守備陣がポジションへ。

結果、中断49分。

石井が投球練習を終え、ようやく試合再開。


マウンドには続いて、石井。そして、バッターはミス続きの英智
初球は1塁側スタンドへファウル。2球目はハーフスイングでボール。3球目、打ち上げた打球はキャッチャーが追い、ファウルグラウンドでキャッチ。これで3アウト。結局、今までの心配は杞憂に終わることに。これでようやく5回が終了。2−0で後半戦へ入る。

6回表、先頭はここまで2安打、先制HRの和田。マウンドには川上が登り続ける。和田は崩されてショートゴロで1アウト。中島は空振り三振、野田はピッチャーライナーとなり、三者凡退に。

6回裏、先頭はピッチャーの川上。見逃し三振で1アウト。荒木もライトフライ、井端もファーストゴロに抑えて、三者凡退。

7回表、先頭の高木はファーストゴロ。そして、続くバッターは石井。石井は次の回もマウンドへ向かう模様。結局、石井は見逃し三振に倒れて、2アウト。佐藤もライトフライに抑えられ、結局三者凡退。

7回裏、開始前に「燃えよドラゴンズ」が流れる。そして、ラッキー7の攻撃へ。先頭打者は立浪。初球をセンターフライに抑える。続くアレックスはレフト前に落として、1アウト1塁。ここで迎えたリナレスはセカンド正面へのゴロでダブルプレー成立。三人で攻撃を終わらせ、8回の攻撃へ。

8回表、ここで川上は降板。代わって、チーム最多登板の中継ぎエース・岡本真也がマウンドへ。この回の先頭バッター赤田はストレートのフォアボール(両チームを通じて敬遠を除き初)で出塁。続くフェルナンデスは見逃し三振、カブレラは三遊間を抜いてレフト前ヒットで1アウト1・2塁となり、このチャンスでバッターは和田。しかし、セカンドゴロに。荒木が1塁ランナーのカブレラをタッチしようとしたところで、カブレラがタックル。さすがにこれは守備妨害を取られて、ゲッツー成立で3アウト。結局無得点に終わる。

8回裏、石井は降板。ここで、出てくるピッチャーは小野寺力。先頭は渡邉。セカンドゴロ、谷繁はファーストフライと抑えて2アウト。ここで英智の打順で、代打・森章剛がバッターボックスへ。ここで、森はフォアボールを選んで出塁、続いてはピッチャー岡本の打順で、代打・森野将彦。ライトスタンドからは2者続けての代打マーチ(いわゆる、テーマ曲がない人の曲)が流れ、「応援か作ってなさすぎだろ」と周りからの声。その森野はライトフライに抑えて、3アウト。あとは豊田を残すのみ。

9回表、代打に入った森野に代わって、マウンドには守護神・岩瀬仁紀が登る。そして、同じく代打に入った森はライトへ。先頭バッターは中島。中島の打った打球はショートへ。ショートの井端はそのボールをお手玉。らしくないエラーが出て、ノーアウト1塁。最初のバントであの中断のシーンを思わせるようなキャッチャーゴロもファウル。続くバントもファウルで2−0。ここで、バントもボールは3塁ファウルグラウンドへ。スリーバント失敗でランナーを送れず、1アウト1塁。続く高木はストレートのフォアボールでランナーは1・2塁。続く小野寺の打順で代打・平尾博嗣プレーオフを通じて今ポストシーズン初登場。2−3からランナースタートで平尾はファーストゴロ。それぞれ進塁し、2アウト2・3塁のチャンス。しかし、このチャンスに佐藤はセカンドゴロ。2点差のまま、9回裏の守りに着く。

9回裏、代打に入った平尾に代わって、僅差のリードの最終回はもちろんこの人。守護神・豊田清がマウンドへ。いつもの儀式を終え、先頭の荒木に対する。荒木をボテボテのピッチャーゴロに抑えて、1アウト。井端も見逃し三振に抑えて、あっさりと2アウト。立浪もセンターフライに抑えて、3アウト、ゲームセット。

2−0。


第1戦、完封勝ち。ドラゴンズ打線を2安打完封という結果に。しかも、相手はエラーのリーグ新記録(もちろん少ない方で)を作った、守りの堅いチーム。それが2失策というガッチガチになって、攻撃も福留がいなくてボロボロで、と、まさにいただいちゃったような勝利。しかも、明日は松坂(たぶん)。チームは勢いに乗ったままシリーズに入っている。
これはスーッといっちゃうんじゃないかと思いながら、片付け。そして、片付けてる最中に、この勝利は3位争いに最後の最後で敗れた、マリーンズに捧げる勝利になるな、という話に。2勝目はサヨナラで勝った第1ステージの相手・ファイターズに、3勝目は1位ながら第2ステージで敗れたホークスに、そして、日本一となる4勝目は自らのために。そう思って、球場をあとにすることに。

ナゴヤドームからは知り合いの車に乗って栄へ。


着いたのが23:30ごろだったため、店もろくに開いておらず、夕飯はココイチのカレーに。


その後、近くのネットカフェに入り(←これがネットカフェに泊まるのは初めて)、そのまま、一夜を過ごしたのでした。