2004パシフィック・リーグ プレーオフ第1ステージ VS北海道日本ハムファイターズ 第3戦

第1・2戦は終わってしまったため、翌日からの3日間のうちに編集予定。

1勝1敗のタイとなって迎えた第3戦。
勝てば、決戦の地、福岡へ。負ければ、すべてが終わる。

この年のテレ朝のプレーオフキャッチコピー「Victory or Nothing」の言葉通りの戦いが始まる。

両チームのスターティングラインアップ。
先攻のファイターズ
1番センターSHINJO、2番セカンド奈良原浩、3番サード小笠原道大、4番ファーストフェルナンド・セギノール、5番DHシャーマン・オバンドー、6番キャッチャー高橋信二、7番ライト島田一輝、8番レフトエンジェル・エチェバリア、9番ショート金子誠。ピッチャーは今年ライオンズに抜群の相性を見せた、新鋭・江尻慎太郎。過去2日と違い、ピッチャーが左ということで、2番・8番が代わった。


後攻のライオンズ
1番ライト佐藤友亮、2番センター赤田将吾、3番サードホセ・フェルナンデス、4番ファーストアレックス・カブレラ、5番レフト和田一浩、6番DH貝塚政秀、7番ショート中島裕之、8番キャッチャー細川亨、9番セカンド高木浩之。ピッチャーは今年、西口・松坂と並ぶ10勝をあげた左のエース・帆足和幸。調子の上がらぬ貝塚を6番に下げ、代わりに初戦満塁弾のフェルナンデスが3番に。


1回表、先発帆足がマウンドに上がる。
先頭のSHINJOは初球をあっさり打ち上げセカンドフライ。よしよし、決して乗せてはいけない。しかし、続く、2番奈良原にはライトへのヒットを許す。さらに小笠原のサードゴロをフェルナンデスがエラーし、ランナー1・2塁でバッターはこの年のHRキング・セギノール
1-1からの3球目、高めに浮いた球をセギノールのバットが一閃。打った瞬間にわかるレフトスタンドへのHRで、重い3点を奪われる。
落ち着かない帆足は続くオバンドーにライト前ヒット。しかし、続く高橋信二をセンターフライ、島田を三振に打ち取りチェンジ。
3点を奪われたものの、意地でも福岡に行かねばならない。その気持ちはまだあった。決して、弱気になっていなかった。

1回裏、ファイターズの先発・江尻がマウンドへ。
先頭の絶好調・佐藤をショートゴロ、同じく好調の赤田をセカンドゴロに仕留める順調な立ち上がり。しかし、フェルナンデス・カブレラの両選手にはフォアボールを与え、ランナー1・2塁。だが、続いた和田をセカンドゴロに打ち取り、無得点。

2回表、先頭のエチェバリアは三振。金子をショートゴロに抑え、2アウト。バッターはSHINJO。ライト前へ運ばれ、まず〜い空気に。続く奈良原にもセンター前ヒットとつながれ、バッター小笠原。ショートゴロに打ち取り、3アウト。まだ、帆足は調子が上がらない。しかし、何とかゼロに抑えた。

2回裏、調子の上がらぬ先頭・貝塚。センター前ヒットでこのシリーズ初安打。ほっと一安心。続いてはこちらも不調の中島。強烈な当たりがサードを襲うもサードライナー。これに貝塚がエンドランで飛び出してしまい、ゲッツー成立。あっさりと2アウトに。細川も三振に倒れて、3人で攻撃終了。

3回表、ピッチャーは依然帆足。先頭バッター、第1打席先制HRを放ったセギノールはフルカウントの末、三振。続いてはオバンドー。右中間に飛んだ大きな飛球はセンター赤田のグラブに収まり、2アウト。バッターは高橋信二。高めの球に手を出し、三振。三者凡退でチェンジ。

3回裏、ピッチャーは好投続く江尻。先頭バッターは高木浩之。低めの球をうまく打ってセンター前ヒット。再び、先頭が出塁。続いては佐藤友亮。バントには行かずに打ち上げてしまい、ファーストファールフライで1アウト。2番バッターは赤田。真ん中高めの球をうまく打ち、センター前に落とす。さらにエンドランもかかってランナー1・3塁でクリーンアップへ。
3番フェルナンデス。2-1と追い込まれたものの、インコースのボールがフェルナンデスの胸に。デッドボールで1アウト満塁に。

この場面でバッターはカブレラ
初球は落ちる変化球に空振り、2球目は高めのつり球が少し低くなりファールで2-0。
迎えた3球目。2球目と同じ軌道のボールにカブレラのバットが反応。
レフトスタンドのファイターズファンの待つスタンドへ。打った瞬間にわかるアーチを描いた!
逆転満塁HR!!

これで、福岡に行ける。何か確信めいたものを感じた瞬間でした。


動揺した江尻は続く和田にもセンター前ヒットを打たれる。貝塚はファーストゴロで2塁フォースアウト。中島はボール球に手を出し三振。これでチェンジ。
4点を取ってライオンズは逆転に成功。


4回表、先頭の島田・エチェバリアと難なく抑えて2アウト、金子も三振に抑え、あっさりと三者凡退。

4回裏、ファイターズは江尻から入来佑作へとリレー。
ライオンズ先頭の細川はいつも通りの三振。高木浩之はストレートのフォアボール。佐藤友亮は粘って右方向へのバッティングで、ライト前ヒット。1アウト1・2塁でバッターは赤田。インコースの球をうまく打って、ライト前に。これでランナーは再び満塁に。
この場面で、フェルナンデス。変化球の高めの球に打ち損じ、浅いセンターフライ。これではランナー動けず、2アウト満塁。バッターは先ほどの回、グランドスラムを放った4番カブレラ
カウントは2-3のフルカウントに。外側の球が内側への逆球で判定はボール。これで押し出しのフォアボールで1点追加。5-3。
続く和田はそれを取り返すかのような三振で3アウト。

5回表、先頭は鍵を握るSHINJO。レフトスタンドからは「剛志」コール。
しかし、サードゴロで1アウト。続く2打席ヒットを許している奈良原はインコースに見逃し三振。小笠原も外角の球で三振に抑え、3アウト。3回から3イニング連続で三者凡退。帆足が乗ってきた。

5回裏、調子の出なかった先頭貝塚がライト前へうまく打ち、先頭打者が出塁。続く中島の初球、中島のバントのバットを引いたかで、伊東監督が抗議でいったん中断。2-0と追い込まれて、当てただけのバッティングでライトフライ。今日2打席連続三振の細川はバントで、2アウトランナー2塁。高木浩之は粘って粘ってしぶとくフォアボールで出塁。ランナーは1・2塁に。そして、バッターは佐藤。ここは高めの球で三振に抑えられ、3アウトチェンジ。この回は無得点。

6回表、マウンドには依然、帆足。先頭のセギノールは三振、オバンドーもライトフライ、高橋の大きなライトフライも佐藤がきっちりキャッチして、再び三者凡退。

6回裏、マウンド上は入来。先頭の赤田はセカンドゴロ、続くフェルナンデスは右中間へのシングルヒット。カブレラは低めの変化球に空振り三振。和田は変化球を打たされたもののセンター前へ転がり、2アウトランナー1・2塁。貝塚はストレートのフォアボールで、この試合3度目の満塁。バッター中島の1-0からの2球目。入来の暴投で、フェルナンデスが3塁からGo。しかし、そのこぼれ方が近かったために、高橋−入来でホームタッチアウトでチェンジ。ライオンズとしては貴重な追加点のチャンスを逃すことに。

7回表、好投を続けた帆足に代わって、マウンドには中継ぎとして活躍した長田秀一郎が登板。
この長田がピリッとせず、先頭の島田にフォアボール。バッターはエチェバリアに代わる代打に木元邦之。変化球で空振り三振に仕留め、1アウト。代打攻勢のファイターズは金子に代わる代打、坪井智哉。初球、サインミスで前に弾いたところを島田が2塁へ。1−3からのバッティングはボテボテのピッチャーゴロで、長田が直接1塁ベースへ。この間に島田は3塁に進み、チャンスでバッターはSHINJOインコースのボールにバットを折ってピッチャーゴロで3アウト。この回もゼロに抑える。

7回裏、ピッチャーは今年、最多ホールドを記録した建山義紀。先頭の中島はあっさりとサードゴロ。細川は3たび空振り三振。高木はセンターフライで、ライオンズは初の三者凡退。

8回表、ファイターズは2番奈良原の代打に石本を送り、ライオンズのピッチャーは今年、サイドスロー転向でチーム最多登板を果たした星野智樹に交代。そして、石本に代わり代打の代打、田中幸雄。右打者の苦手な星野は田中にフォアボールを与え、再び先頭が出塁。田中の代走には古城茂幸。続いては小笠原。星野は小笠原に対し、ノーヒットと絶対の自信を持つ。2−3となったものの外角の球に小笠原が手を出し三振。スイッチヒッターセギノールを迎える段階で、ピッチャーをこの年からセットアップに定着した小野寺力に交代。小野寺は完璧な外角ストレートでセギノールを見逃し三振に斬ってとる。続くオバンドーもフォークで空振りを取り、連続三振。

8回裏、いよいよスタンドは最後豊田が締めて、福岡へ行けるという機運が高まってくる。そして、自分もそう思っていた。
ファイターズの投手は今年、守護神として活躍し、最多セーブ横山道哉がマウンドへ。
先頭は佐藤、1塁線へのセーフティバントはファースト真正面で1アウト。続く赤田はショートゴロで2アウト。3番フェルナンデスは2−3からフォアボール。4番カブレラは粘るも結局はフォークに空振り三振で3アウト。


さぁ、いよいよ福岡へ。ラスト3アウト。これを締めれば、福岡に行ける、というか、もう頭の中では福岡に行く気マンマン。「さぁ、最後、豊田締めてくれ。」そんな気持ちをもって最終回へ。


9回表、マウンドには当然守護神の豊田清が登る。投球練習のあと、マウンドの後ろでいつもの儀式。
先頭バッターは高橋。センターへ打ち上げたあたりは赤田の手前でワンバウンド。先頭が出塁。赤田はダイビングの際に右腕を巻き込んでしまい、ベンチへ。すぐに、センターは赤田から高波文一へと交代。続くバッターは7番島田に代わって、代打・小田智之。2−1からのストレートに空振り三振、1アウト。
そして、先ほどの打席代打から登場の木元。初球は高めの変化球でボール。2球目はストレートにファール。3球目はストレートでファール、2−1と追い込む。4球目はフォークが抜けてボール、2−2。

迎えた5球目、落ち切れなかったフォークを木元のバットが完璧に捕らえ、ライトへ。



こっちに向かってくる。来るな、来るな、来るな。わかってはいたものの、ボールがライトスタンド、ボクの目の前へ。


まさかの同点HR……




こんなところで、諦めなきゃいけないのか、そんなことはないだろう…。




ライトスタンドからは「がんばれ、がんばれ、豊田」コール


それに応えるかのように、続く、坪井はショートゴロ、1アウト。レフトスタンドが沸く、バッターはSHINJO。怖さすら感じたものの、結局サードゴロ。3アウトチェンジ。

野球は怖い、そう改めて感じることに。



そして、あるとは思っていなかった9回裏の攻撃へ。


しかし、同点である、一振りで決めれば終わる。そう思い直し、9回の攻撃へ。




マウンドには8回に続き、守護神・横山。




先頭バッターは和田。




2−2から横山のフォークをすくい上げた打球はレフトポールへ向かって、上がっていく。





「行くぞ、行くぞ」




そして、レフトスタンドへボールは吸い込まれた。




「ワ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」
全員興奮し、周りの人と手当たり次第に喜びを分かち合う。そして、自分の目には涙が。久しぶりだよ。涙流したのなんか(ホントに小学校の卒業式以来)。



サヨナラHR。第1ステージを2勝1敗で制し、第2ステージの舞台・福岡へ。






「西へ向かうか、北へ帰るかだ」と語っていたファイターズを北へと送り返し、ライオンズはいざ西へ。チャンピオン決定の地福岡へと旅立つこととなった。